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戦略的詫び

  • 2010-03-04 (木) 12:10
  • 考察
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昨今のプリウス問題。

トヨタの豊田社長は、アメリカに飛びお詫びをし、そしてその足で中国に行きお詫びをされました。
大企業のトップとして真摯に、機敏に対応されていて、すばらしいなと私は思いました。
感動すら覚えます。

今回の件で私が思ったのは、「詫びる」ということの「効果」です。

事実は置いておいて、非があると言われたことに対して「詫びる」ということは、非常に難しい側面を持っています。

誰にでも経験があると思いますが、

・自分は悪いと思ってない
・真実として本当は悪くない
・たいしたことではないのに大騒ぎになっている
・むしろ先方が悪い
・本当に自分が悪い

という局面で、お詫びをしなければならない事があります。

特に商売絡みであると、自分ひとりのことではすみません。
詫びたらそこにつけ込まれるという可能性もあります。
また、適当に詫びれば良いというものでもないので、非常に難しい。

適当に詫びた例としては、スノーボードの國母選手の件が挙げられます。

あのケースでは服装なんてたいしたことではない(むしろ本人はポリシーがあってやっている)のに、やいやい言われて仕方なく詫びた。
結果、詫び方が気に入らないと言われ、さらにボコボコに言われる結果となってしまいました。

彼は、詫び方一つでヒーローになれたと思ってます。
好感度がUPし、スノーボード競技の裾野がさらに広がったかもしれません。

詫びる瞬間だけ、格好付けるのをやめれば良かったんです。

「戦略的詫び」をすればよかったのです。

いろいろなメディアでも報道されていましたが、彼は、スノーボード競技に対してものすごく真摯に取り組んでいて、ファッションとして格好良いと思われることで少しでもスノーボードをやる子供が増えたら良い、という思いもあり、ああいう格好や言動をやっているところがあるようです。

お詫びするときには、頭を整え服装をきちんとして、それをそのまま言えば良かった。すなわち、

「私は、自分を着飾ることで、子供たちに少しでもスノーボードを格好良く思って欲しかった。そして競技人口を少しでも増やしたいと思っていた。そういった考えで服装を先日のようにしていましたが、やはりそれは幼稚な考えでやり過ぎだったのではないかと思っている。ですから今後はもっと適切な方法を考えて、実行していきたいと思う。」

とか言えば良かったように思います。

話は戻りますが、今回の豊田社長は「戦略的詫び」という点で以下がすばらしかったと思います。

・一番効果がありそうな所に、速やかにお詫びに行った
・自社に都合の悪いことも公開した
・いつまでにどういった対応をするのか、という具体的な今後の対応策を明確にした

結果として、アメリカでも中国でもやんややんやの大嵐はとりあえず収まったようです。

この戦略的詫びを行う場合のポイントは、いくつかあるように思われます。

1.平身低頭
2.速やかに、詫びる相手は的確に
3.なぜこうなったかを正直に
4.今後どうするかを具体的に明確に
5.マイナスからプラスへの逆転できる要素を入れる

以下に、例をしるし、文章の内容に上記の番号をふってみます。
企業の宣伝広報担当部長に対しての謝罪と想定して書いてみます。Webサイト更新作業において、掲載ミスがあったという想定です。
公開前には最終的にお客様チェックもあるはずですが、そこもスルーしてしまってなぜか間違った内容が掲載されてしまった!という感じ。

「今回のWebサイトへの文面掲載のミスについて、社内の関係者にヒアリングを行い調査をしたところ、弊社のチェックが2重に行われるところが、1度しか行われておらず、十分機能していませんでした。(※3)
結果として、間違った文面がWebサイトに掲載されてしまうというあってはならないトラブルを起こしてしまうことにつながりました。(※3)

今後、2重のチェック体制が十分機能をするよう、チェック表を作成し担当者に記入をさせるとともに、最終的に監督役員がチェック表についてのヒヤリングを行うことで、今回のようなトラブルを防いでいきます。(※4)

また、作業フローについての御社視点でのご指摘がありましたら、真摯に浮けとめて対応をいたしていきたいと思いますので、是非とも御社のご協力をよろしくお願いいたします。(※4:やんわりとお客様もチェックをしてくださいねと言っている)

本件につきましては、御社上層部の方々への謝罪も行わせていただきたく、この場を借りてその機会を設けて下さることをお願いいたします。
またその際に、弊社としての具体的なお詫びとして、すなわちペナルティとして、1ヶ月間の費用無償対応をやらせていただきたいと思いますので、ご下命下さいませ。
(※5:上層部に直接お詫びをすることを、無償対応をするかわりに提案。上層部に対して真摯な姿勢を見せることは、取引上効果が高い場合が多い。広報部部長が、俺ではおまえらに下命できないのかと怒るかもしれないというところはなきにしもあらず)

また、私事ではございますが、今回の件ついては私の監督不行届であり、3ヶ月間の報酬20%カットを社に申し出ております。(※4)

諸々ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。
今後このようなことが無いよう、よりいっそうの注意と確実な作業を以て、継続的に御社の発展にご協力をさせていただきたいと思っております。」

詫びるというのは、ものすごく有効なコミュニケーション手段だと私は思っています。
だって、コミュニケーションをとる目的が明確ですから、わかりやすい。
わかりやすいところで、うまく立ち回れば、評価も、状況も変わります。
ピンチをチャンスに変える、と思えば、お詫びもそんなに気が重いことではないのではないかな、と思います。

まあ実際やらかしちゃったときはは本気で気が重いですけどね

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青木大輔
福井県立藤島高等学校・武蔵野美術大学造形学部卒。
現在は株式会社アジャストの社長やってます。
妻ひとりと子供2人。

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